仕事

大学を卒業してフリーター生活が5年目に突入した。 そんな僕がタナカさんを知ったのは駅前のスーパーだった。 タナカさんはそこでレジを打っていた。 そのレジ打ちスピードが尋常ではなく、高速道路で言えばETCのようであった。 あの朝もそうだった。僕…

私は目的地へと向かうため、タクシーを拾った。 「グランドホテルまで」 「はい」 走り出して数分後、年老いた運転手が話しかけてきた。 「お客さん、宿泊ですか」 会話などする気もなかった私は運転手の言葉を無視する。が、彼は私のことなど気にしないかの…