2009-01-01から1年間の記事一覧

演劇人

自分の肩書きは何だろうと考えたことがあった。 たとえそれで食えていなくても、僕は演劇をやっている古田淳であり、劇団フルタ丸のフルタジュンであると名乗ろうとなんとなく決めたのはそれほど昔のことでもない。 究極的には肩書きは何でも良い。 泥棒でも…

あとさき

僕が演劇と関わるようになったのは、2004年からだ。 もう5年以上前のことになる。思えば遠くへ来たも……そう遠くには来ていないか。人間、5年間も他人と関わる事を続けていれば、それなりに変化するものである。 と思う。なんで僕が演劇に関わったのか…

クリスマスCAKE

クリスマスイブ。下北沢の事務所にいる。仕事だ。 事務所の隣の部屋にはミュージシャンが住んでいる。 面識はないがおそらく全く売れていないミュージシャンだ。 今日も昼の3時ぐらいから単独ライブが始まって、もう4時間近くずっと弾き語っている。メロデ…

もうすぐ

さて、僕は昨晩をとあるマンガ喫茶で過ごしたのであるが、まずは下の写真を見ていただきたい。 薄暗い通路に段ボールが積まれている。 そこに置かれている、こぢんまりとしたツリー。ここには華やぎとか、クリスマス感とか、そんなものない。 むしろ色んな意…

泣いた夜には

公演中である。 劇団フルタ丸第14回公演『I LOVE YOU』を。 まさに下北沢の劇場で休憩中にこの文章を書いている。 こんなときに限って「涙」か。 という所まで書いて劇場で書くのは止めた。 集中できないので結局は家で書いている。僕がその漫画を読んだのは…

僕は小さい頃、泣き虫だった。 誇張無しに、小学校の低学年の頃なんかは一日一回は泣いていたような気がする。 高学年になっても一週間に2回くらいは泣いていたのではないか。 涙の理由は些細なものだったように思う。 大体が悔し泣きだった。 自分を情けな…

僕が透明人間になったら

「透明人間になったら何がしたい?」 たぶん、誰もが小学生ぐらいの時に「透明人間」という概念を知った時に夢想したことではないか。ないかい? 僕は夢想していた。 透明人間になったら、 「おっぱい」 このシンプルな4文字こそがその答えだった。「おっぱ…

寸劇

ここはとある研究所。 部屋の中央には仰々しい装置が設置されている。 それを挟むように、白衣を着た男が2人立っている。「博士!ついに完成しましたね!」 「うむ、ついに完成したな、助手よ!」 「長年の夢が、とうとう現実の物になりましたね!」 「うむ…

青春漫画のヘイガイ

部活にこそ人間の青春が詰まっているという幻想は、数々の青春漫画がもたらした弊害かもしれないと僕は考えたことがある。 真剣に。 日本中の漫画家たちは、王道スポーツからマイナーなスポーツまで、金塊を探すような目つきで片っ端から漫画化していった。 …

喪失

もう9月になるというのに、僕はまたここに来てしまった。薄暗い室内で、息を潜めながら、日々の記録用ノートをめくっている。電気を大っぴらに点けるわけには行かないから、磨りガラス越しの弱々しい光だけが頼りである。あいにく今日は曇りで、元々日光があ…

4コマ目のオチ

(写真と本文は一切関係ありません) どうしてカップルは駅の改札手前でケンカするんだろう。 本当にしょっちゅう見るんだけど。 皆さんはいかが? 男も女も黙ったまま向き合い、アメリカとソ連みたいな冷戦を繰り広げている。 もっと分かりやすく怒鳴り合いの…

うえたまさし先生

四コマ漫画と言えば、現在いくらでも作品が世の中に出回っているが、私の中で四コマ漫画の金字塔となると「コボちゃん」である。 コボちゃんというか、「うえたまさし」作品となるだろう。 私は小学生の時、「かりあげクン」という作品のアニメを見ていた。…

Tomorrow never knows

しばらくフルタ丸でカラオケに行ってない。 千秋楽→打ち上げ→カラオケ。 この黄金セットを楽しんでいたのは今は昔、大学時代だ。 久しぶりに行っても良いような気もするが、どうなんだろうね。 公演が終わって酒を飲んでいるとそんな余力が残ってないような…

LOOP

いったん、このテーマで文章を書いたのだけど、書き直す事にした。 このテーマ、たしか僕が出したものだったと思うんだけど、 あらためて、「明日」という単語に焦点を当てると、なんだかとても重い言葉なんじゃないかと思う。 いつからか、明日を迎えること…

その魔法、ニセモノにつき

小学生の頃に見たテレビアニメで、あのTVゲーム「ドラゴンクエスト」を模したアニメがやっていた。僕はそれが大好きで夢中で見ていた。 まだ青年期の勇者たちが、ある町を訪れた回の話だ。どうやらその町には、勇者たちが訪れる前からすでに勇者たちがいる…

とある作家の話

「嘘と偽物。そこには明確な違いがあると思う。 私は創作活動をしてもう十数年になるが、最近、このテーゼに対して、様々なことを考えている。小説、いや物語とは、ノンフィクションという枷をつけないのであれば、それはすべからく空想の出来事である。だか…

恋はいつも初恋だって誰かが言ってた

毎週金曜日は小田急線に乗って藤沢に行っている。 もう5年間。 今まさに、そんな小田急線の中。藤沢に向かいながら、ケータイでコレを書いてる。 テーマが初恋。 5月、この年間の800文字テーマを和田と一緒に決めていた時に、彼がこのテーマを11月の第一…

11月3日

明日、11月3日。文化の日。 世間一般では祝日だけど、僕にとっては少し特別な日だ。 誕生日だ。初恋の相手の。 僕の初恋は高校2年生の時のものだ。相手は、部活の後輩だった。 本当はその前にも誰かを好きになったことはあったのだけど、 しっかり初恋と僕が…

冤罪の主張

「冤罪」という恐ろしい現実があることを強烈に知ったのは、たぶん成人になってからのような気がする。 殺人事件であっても冤罪で何十年も牢屋にぶち込まれることだってある。そんなニュースを見る度にやるせなくなるし、司法という巨大な力に憤りを覚える。…

ノリ

A「じゃあ、取り調べを始めます」 B「……はい」 A「名前は?」 B「和田と申します」 A「和田さん、と。えー、あなたは痴漢をはたらいたという事実を認めますか」 B「……はい」 A「わりと前代未聞です。あなたのやった行為は」 B「でしょうね」 A「車内ではなく…

いつか、家族の物語を

劇団フルタ丸で家族の話をやったことは過去に一度だけある。 第10回公演『催眠術』。 家族と言っても、「吹雪家」が舞台となる3人兄弟の出てくる話だった。 フルタ丸はほぼ同年代のメンバーしかいないので、おそらく今のやり方で行けば、これ以上は望めな…

兄と家族と

私には、兄が一人いる。3歳上の兄だ。 彼は、私が言うのも何だが、よくわからない奴である。 たぶん、彼も私のことをよくわからない奴だと思っているのであろうが。兄弟の関係性というものは、「凄く仲が良い」か、「凄く仲が悪い」のどちらかになることが多…

トランプ最強説

もうだいぶ前だが、トランプは最強だと思ったことがある。 果たして、玩具としてトランプを超えるものはあるのか。 いや、エンターテイメントの道具として、こんなによくできたものは今後生まれるのか。 ニンテンドウDSもPSPも到底及ばない圧倒的な高み…

若干

トランプ。アルファベットだと、trump。これを英和辞書で引くと、日本語のいわゆるトランプのことを指す単語では無い、とのことである。 英単語として、「切り札」とか「奥の手」とか、そんな意味を持つ言葉なのだ。 私がそれについて知ったのは学生の頃だっ…

劇団メンバーが去っていくとき

劇団を始めて7年。 色んなことがあった。メンバーの脱退。新メンバーの加入。 脱退する時には何かしらの理由があったりするわけで、 そんな話を聞いてると「まぁ、しょうがねぇか」と思ってしまう。 いや、しょうがねぇやと思えない時もあるけど。 けど、脱…

私は部屋で一人、パソコンに向かっている。 私は夜が好きである。静かな夜が。 しとしとと雨が降っている。夏の幕を引くような、秋の到来を告げるような、寒さをもたらす秋雨が、街を濡らしている。 こんな夜は皆が眠りに落ちる。人も、動物も、虫も。雨音以…

ディズニーランドが嫌いな理由

アンチ。 それが、学生時代から僕が「ディズニーランド」に一貫して取り続けている姿勢だ。 あのネズミ王国にどうして背を向けるようになったのか。 なにか明確な理由でもあったのか。 自分史を紐解いてみる。 片思い中の女性がミッキーマウスのTシャツを着…

童心

近所で大規模な工事が始まったのは、2ヶ月ほど前のことである。元々そこは空き地というか原っぱというか、何も手入れされていない土地だった。遊閑地?とかいうやつだ。 それをごりごりと開発し誕生したのは、遊園地であった。 遊園地なんて、2ヶ月そこら…

2009年秋、フルタと経済の純情な感情

お金に飲み込まれる音がした 僕はお金の話をするようになった 草野球と駄菓子が好きだった 300円もあれば十分だった 僕は経済に飲み込まれたんだ 僕は経済に飲み込まれたんだ 季節の移ろいに鈍感になった 星を見ても何も感じなくなった 僕は責任という言…

つらつらと、2

お金なんてものは、なんと厄介なモノだろう。 以前、心の問題って言うのは、なんて厄介なんだと書いた。 お金の問題は、それと同等に難しく、しかも、のっぴきならない状況で、まま浮上する。 どこかの偉い人が言った。 「金は、命より重い」 と。 その通り…