つらつらと、1
ライバル、と言う単語を見たとき、真っ先に浮かんだのはポケットモンスターに出てくるあいつだった。何故だろう。他にもたくさんいると思うのだが、何故かあいつが登場した。
あいつを軽く説明するならば、主人公のライバルだ。
当然か。
主人公の友達であり、時折主人公とその腕を競い合う。時折主人公の前に現れては、回避不可のバトルを仕掛けてくる。
そして、彼は負ける。主人公が彼に勝たなければ話が進まない。だから、ゲームの中では、ライバルは主人公に(最初の戦いを除いて)負けっ放しなのだ。
彼の心情を推し量るのは不可能であるが、さぞかしやるせない気持ちで一杯なのではないだろう。
ふと、彼のことを考えていて思った。もし、自分が彼だったとしたら。
絶対に勝てない相手が目の前に存在し続ける人生だったとしたら。
そいつに負けないと、何も進まないような世界であったら。
うむ、嫌な人生だ。率直にそう思う。
まあ、おそらく、こんな事を考えるような奴は物語の主人公にはなれないのだろう。
私はそんな相手にあったことはない。いや、ないと思っている。
ただ、よくよく考えてみると、いつも全てにおいて自分の上を行っているような奴がいたような気がする。運動でも勉強でも、その他諸々においても。
でも、私はそんなやつをライバル、として見たことはなかった。少なくとも、今はそう思っている。
きっと、こんな心根がいけないんだろう。
面白い話には、たいてい魅力的なライバルがいるものだ。
だから、人生を楽しくするには、自分でライバルを作っていけばいいんだろう。
問題はそいつに勝てるかどうかじゃない。そいつがいるかどうか、だ。そいつに自分のことを知られている必要すらもないのだろう。そいつを目指して、いろいろと頑張っていきゃあいいんだ。
そう自分に言ってみても、何も変わらないのが、人生ってやつで。
こんな世知辛い世界だからこそ、ライバルって存在は大事だな、なんて思う。
うまくまとまって…ないか。