妥協カップルランド

こんな調査がある。
彼氏が彼女に点数を付けるとしたら何点か。


平均点は77点。


女性諸君はこれをどう見るかだ。
微妙なところだ。
ほぼ8割と言えば8割だから。
もちろん、逆パターンの調査結果も出ている。
彼女が彼氏に点数を付けたら何点なのか。


その平均点は58点。


「ふっざけんなっ!」
男性諸君はその結果を聞いて、机をひっくり返すか、飲みかけのコカコーラを壁に投げつけることだろう。もしもピアノが弾けたなら、想いの全てを呪いの歌にして、フラれた女にカセットテープで送り付けることだろう。


これが、どちらも100満点だったとしたらどうか。
手放しで喜べるのか。
頭がとんだハッピー野郎でない限り、満点なんて冷静に考えてすげぇ気持ち悪い状態だ。
喜べないと思う。
別に満点じゃなくてもいい、なくてもいいんだけど、それにしても点差が離れている。
ということは、何かしら妥協してカップルがこの世に誕生していることになる。
その溝はどんどん開き、その内、涙や血を見る事件にだって発展しかねない。


雑誌で読んだ情報なので、うろ覚えになってしまうが
埼玉県の奥地に「妥協カップルランド」という遊園地がある。


そこは「妥協してカップルになった」とはっきり自覚のある、「妥協→カップル誕生」の流れに前向きな姿勢のあるカップルのみが訪れることができる夢の国だ。
入場ゲートで2人を迎えてくれるのは、「脱臼マウス」だ。
もちろん肩は脱臼している。耳はない。体の色は緑色だ。
もう帰りたくなっているのなら、ここで帰ればいいと思う。
入園すると様々なアトラクションが妥協カップルを待っている。


「ホーンテッド欠陥住宅
「イッツ・ア・スモールアパート」
「ウエスタンリバー埼京線


挙げればキリがないが、
全てに共通するのが「残念なマインド」である。
妥協、すなわち、残念。
ここを徹底的に付きつけられるアトラクションばかりが用意されている。
はっきり言って、妥協カップルはお互いを悲観している暇など一時もない。
目の間の残念に押しつぶされないためには、力を合わせて、そのアトラクションから脱出することを考えないといけないからだ。


そして、ランド内にはランド側が用意した、ブサイク・ブスのアルバイトが多数在籍している。彼らはランドの至るところに潜んでおり、隙さえあればあなたの彼氏や彼女にちょっかいを出してくる。好きにさせるも自由、守るのも自由。


そんな「妥協カップルランド」、埼玉のどこかにあります。


ネットで調べて行ってみてください。<文・フルタジュン>


★来週のキーワードは「観葉植物」です。