015.トーク

014項の流れで、勢いのあるうちに語ってしまいます。
トークについて。


僕の中では、「会話」と「トーク」を全く別のものとして捉えています。「会話」を人と人とがしゃべることであるとするならば、「トーク」とは「会話に参加していない人に聞かせるための、ト書きのない会話」だと考えています。
要するに、バラエティ番組とかラジオ番組とかトークショーとかにおける、出演者同士のおしゃべりのことですね。


今時、設備さえあれば素人──タレント業で収入を得ていない人──でも、トークを世界に向けて公開することも出来ます。そういう意味では、見せ物(聞かせ物と言うべきか)としてのトークは、身近なものになってきたのかもしれません。


で、トークには上手い下手があります。言い換えれば、プロでもトークが下手な人もいるし、素人でもトークが上手な人がいます。
これは逆に言えば、トークをする上でなんらかのスキル・テクニックが存在し、それを上手に扱えれば、「トークの上手い人」と思われるわけです。


それは一体何なのかと言えば、トークの上手さは

【目の良さ】

に密接に結びついているんじゃないかと僕は考えています。


会話に「目の良さ」が必要というのはおかしな話ですが、要するに【目の良さ】は「会話の流れを見渡す力」のことです。


会話がどこへ向かっているか?
今、何について話しているのか?
この流れで、自分が言うべきことは?負うべき役割は?
これらを俯瞰的かつ客観的に把握する力を
【目の良さ】
として言い換えているワケです。

トークの上手い人は、しゃべっていることが面白い人であるとは限りません。それよりも、しゃべりながら話の流れを見て、広げるか終わらせるかなどを判断することの出来る人のことを指すのだと思うのです。


トークが上手くなりたい人は、まずはトークの上手い人のトークを聞いて、「この人はこの話をこれからどう持って行くつもりなのだろう?」ということを考えながらトークを楽しんでみて下さい。そうすることで、トークに対する目の良さが養われていくんじゃないかと思います。