040.スポーツの見方とは 補足

がっつり書いてきたわけですが、冷静に見てみると当たり前のことしか書いてありません。


なぜ6項も費やして述べてきたのかと言えば、それは応援と観戦の区別が付けられない人が多くいるように見える、そしてそれはとても重い問題であるから、なのです。


昔聞いたとあるラジオドラマにこんなのがありました。



ある男がバーのマスターと話している。今話題の、サッカーワールドカップの話だ。
「次のサッカー日本代表の試合はどうなると思う?僕は1-1で引き分けると思う」
それにマスターが答える。
「私は3-0で日本が勝つと思います」
それを聞いた男は
「いやいや、そんな実力は日本にはないよ」
と一蹴する。それに対し、マスターはこう言った。
「そうでしょう。でも、私は日本代表を応援していますから、3-0で勝つと思うんです」



短くまとめましたが、大体こういう内容でした。


僕はこれを聞いてはっとしました。スポーツを応援する人は応援する選手やチームが勝つことを願うのであって、実力を冷静に考慮して試合結果を正確に予想するわけではないのだと。


応援するっていうことはそういうことです。


いつだって選手が最高のパフォーマンスを発揮して、最高の結果を出すことを願い、そのために自分に出来ることをする。自分に出来ることなんて選手に頑張れと言うことくらいしかないし、それが実際の結果につながるかどうかはわからないけれど、それでも声援を送りたい。そういったある意味では無意味なことの積み重ねが、実際には選手やチーム、ひいてはそのスポーツ自体やそのスポーツが成り立つ世界を支えているのです。


観戦と応援は別のものです。
でも、お互いに理解しあえる余地があることも確かです。
観戦したい人はもっと面白くそれを見たいと思い、サポーターは仲間を増やして応援したい。それだけのことなんです、きっと。


大事なのは各自のスタンスを押しつけないことです。