046.顔合わせとはお見合いなのか

本日は、5月に控えた劇団フルタ丸 第18回公演『オマエの時間くれよ』の顔合わせがありました。


顔合わせについて何をするのかピンと来ない方もいるでしょうが、実際は何もしません。うちの場合は出演者が集まって、お酒を飲んで、しゃべって、台本が渡されるという、それだけの場です。多分他の劇団とかも似たような感じだと思います。


演劇は公演毎に異なったメンバーが集まる場合が多く、役者としては以前競演して呼吸のわかり合っている人もいれば、まったく面識のない人もいるので、古参の人は新参の人がどういう人なのかを、新参の人は古参の人(達)がどういった役割を受け持っているのかを知るいい機会となるわけです。なので、見知ったメンバーがほぼ全てのお芝居だと、顔合わせをする必要性はあまり無く、結果として顔合わせをしない、なんてこともあるでしょう。


それにしても顔合わせには独特の緊張感というか探り合い感があるなぁと改めて思いました。以前記述した『ライブハウスのぼっち感』のような、会に臨むにあたっての顔合わせ特有の独特な緊張感があります。


「駅でメンバーが集まった」時から、「乾杯をする」時まで、知り合いではない参加者の間には非常に微妙な距離感が生まれます。というのは、自己紹介やお互いへの質問なんかは会が始まった後に行うべきメインイベントなので、会が始まって好き放題話すまで、出るに出られないもどかしい感じが生まれます。“興味はあるのにむしろ無視した方がいい”とさえ思うような、逆行とも言える心持ちになります。

まあ、こんな心境は顔合わせというより、初対面の人同士の間にはよく生まれ出るような関係性なのかもしれません。体験したことはありませんが、お見合いなんかもこのような気持ちになるじゃないかとも思います。というより、初対面の人たちがお互いを知るために開かれる会はお見合いと言っていいんじゃないでしょうか?どうでしょうか?どうでもいいでしょうか?


まあ、どうでもいいことです。


さて、楽しい顔合わせも終わり、これから稽古が始まります。


ということで5月の公演に向けて、演劇関係のエッセイもちょくちょく書いて行けたら、なんて思っています。

<文・和田宜之>