055.アウトドア!アウトドアや!

4月に入って、2回バーベキューをしている。


この事実を去年の僕が知ったら、驚いて腰を抜かすのではないかと思います。


僕はインドア派です。インドア派。なんだか知的で素敵な響きの言葉のようにも思えます。が、つまりは引きこもりということです。家の方が好きとかそういう問題ではなく、「外に出る目的がない」「家の中でも十分暇つぶしが出来る」「地の底まで引きこもってしまいたい。なんならブラジルあたりまで引きこもりたい(願望)」といった思考を持つ人間であるわけです。

こんな人間ですから、もちろん自発的なものではありません。片方はお世話になっている会社が、もう片方は劇団が行ったものです。半ば参加者、半ばお客さんくらいの心持ちで向かったワケです。


僕は幼少の時分でも現在とそう差のない引きこもりマインドを持っていたので、ちゃんとしたバーベキューの知識とかなんとかはありませんでした。ぶっちゃけやや不安です。見た目はおっさんですが、中身は小心者です。


そんな僕が短い期間で2回バーベキューに参加して感じたことを簡潔に申すのであれば

「アウトドアってすげぇな」
「アウトドアって疲れるわ」

この2つです。
相も変わらず身も蓋もない意見ですがご容赦いただきたい。


アウトドアのすごさ、それは文明社会とは対岸にあると言っても良いような自然のすごさ、とも言えると思いました。


どちらも大きな川のそばというロケーションだったのですが、月並みな言い方をすればその雄大さに驚嘆しました。と同時に、僕が引きこもっているこの部屋とは全く異質な環境がそこにはありました。


脱サラして農業を始める人の気持ちが、そこでなんとなくわかったような気もします。今まで自分が接していた世界とは、まるで別物の世界。それを開拓するロマンは動機としては十分なのだろうな、とか。


そして、もうひとつ。運動不足の身には堪える環境だな、とも思いました。そこで生活することは全く想定されていない、だらけきった肉体には、たかだか4〜5時間でも芯に来る疲労を刻んでいきましたよ、自然ってやつが。


改めて、体を絞ろうなんてことを考えました。


ちなみにどちらの回もうまいもんをたらふく食ってきたので、この考えとは矛盾しているわけですけども。


<文・和田宜之>