057.演劇の魅力! 見る側編その2

さて、演劇の魅力!見る側編その2。


今回は、役者ではない部分についてクローズアップしたいと思います。それは「脚本」です。


脚本は言わずもがな、そのお芝居のストーリーです。誰が舞台に出てきて、どんなことをして、結果どうなるか。


この辺に脚本を読み解く知識があるか否かで、演劇の楽しみ方が大きく変わると思います。
なんだか偉そうな語り草ではありますが、なんてことはありません。読み解く知識というのは、脚本作りの根幹、つまり「伏線」と「テーマ/メッセージ」の存在を知っておくことです。


伏線についての説明はこの際省きますが、こと演劇の脚本における伏線は、ある意味で「作り手からの挑戦状」だと捉えると面白いと面居ます。051項でも述べましたが、脚本家は「あ〜なるほどねぇ」とお客さんに納得感を与えるための仕掛けを打ってくるわけです。なので逆に観る側は、この筋書きは、きっと後々に効いてくるタイプのやつだ!なんて思いながら観劇するのも楽しいものです。


そしてもう一つはテーマ/メッセージです。
ぶっちゃけ、これが無い演劇は存在しないと思っています。何故ならば、解釈は無限ですから。人間は意味のないことでも解釈することで存在しないものを作り出してしまうからです。


まあ、そんな哲学めいた話は別の機会にするとして、演劇において語られるテーマは様々です。本当に様々。ですが、演劇の特性の一つとして、「多数派には向けられないメッセージ」があったりすると思います。


演劇を本気でやろうなんて考える人は大概常識外れというか、独特の感性を持っていると思います。よく言えば個性的な、ある意味で新鮮な感性に触れる機会は、なかなか無いものです。そういったものが充満するのが劇場なのです。言うなれば「街中の異空間」なんです、舞台って奴は。


そんなメッセージを表現する場を演劇に求めた、求めてしまった人が演劇の脚本家だったりするわけです。


ちょっと美化しすぎでしょうかw


<文・和田宜之>