061.船を造るか 島を目指すか

海があるとします。そして、その海には島があるとし、あなたには船を造る能力があるとします。


ここで、
「自分には船を造る能力がある。だから、船を造ってあの島に行く」
というケースと
「自分はあの島に行きたい。だから、船を造るのだ」
というケースが生じると思います。
この二つ、成功の形はどちらも「船で島にたどり着く」ことでありますが、その思考や課程には、とてつもなく大きい差があるのです。



唐突な話し出しですが、今回のテーマはというと、
「手段と目標は、どちらが先に立つべきか」
です。


自分もそうなのですが、多くの人は自分の持っているもの、自分の出来ることを基準に目標を立てると思います。つまり、手段が先に立ちやすいと思います。
が、船と島の例えで言うなれば、船から造り始めるのは極めて無謀であると言えます。船を造れるとして、必要な人員は?積むべき物資は?アクシデントに対する備えは?果たしてそれらを全て持っていたとして、目指すべき島にたどり着けるのか?その根拠は?


大事なのは、目標に合わせた準備をすることです。あの島に行くにはどれだけの装備が必要か、どんな規模の船を造る必要があるか、そういったものを具体的に算出し、それに合わせて足りない物を補うこと。それにより目標を達成するための手段を明確にすることができるようになるわけです。

以上のことより、私たちは目標を先に立て、手段を決めていくべきだと思います!







と、ここまでが理想論。
現実はそんなに単純ではありません。


「○○がしたい」「○○になりたい」といった目標を持っていたとしても、そのために必要な物が何かを正確に判別していくことが出来る人などそうそういません。よしんばその取捨選択が出来たとしても、実際にそれが遂行出来るかどうかはまた別の話になります。


では、大事なことは一体何か?


それは、「何度もやってみること」に他ならないと思います。


失敗したとしても生還さえ出来れば、次のチャンスがある。その機会がきたら、失敗を活かす。はたまた、たまたまうまくいって島にたどり着くことが出来るかもしれない。その島からは、違う島が見えるかもしれない。


最もおろかなのは、船を設計して造らないこと。そして、良さそうな島を探し続けること。つまり、行動をしないことです。


とりあえず、どこかへ行ってみよう。そしたら、必ずわかることがある。そう思っています。